ご挨拶

公益財団法人埼玉県サッカー協会会長の鈴木茂です。2024年6月に開催された定時評議員会及び臨時理事会において、会長職(代表理事)を拝命し、その重責と使命に身の引き締まる思いです。同時に、本協会並びに埼玉県のサッカーに関わる全ての方々の明るい未来を築くために鋭意努力する所存です。

細木志朗先生が埼玉師範学校(現、埼玉大学)に蹴球部を設立してから100年以上、その教え子たちが教員として県内各地に赴任し、サッカーを広めたことが全国屈指のサッカー県・埼玉の原型を作ったと言われています。本協会の前身にあたる埼玉県蹴球聯盟が設立されてからもおよそ80年の歴史を辿り、その間、数多くの種別や年代で輝かしい成果を残してくれました。先人たちの功績と、現在も本協会事業や各種大会運営にご尽力いただいている全ての関係者の皆様方に心から感謝申し上げます。

2018年に会長職に就任し、これまで3期6年を終えました。この期間、コロナウィルスという未曽有の事態に奮闘しながらも、環境面では旧騎西高校の跡地にSFAフットボールセンターを設立、技術・指導面では技術専任者であるFAコーチを招聘、競技運営面では東京オリンピック2020サッカー競技やFIFAワールドカップカタール2022アジア最終予選など数多くの国際試合を開催し、まさにサッカー県としての矜持を再確認することができました。

一方で課題も沢山あります。少子高齢化社会が進む中で、サッカーファミリーやキッズ人口の拡充と、シニアのサッカー環境の整備は喫緊の課題であり、また、ジェンダーレスな社会を実現するために女子サッカーの普及と発展は最重要項目の一つであります。多様でインクルーシブな社会を当たり前のものとするために障がい者サッカー(スポーツ)への正しい理解と取組みは必須です。サッカー界における暴力・暴言、差別、いじめ、誹謗中傷、ハラスメント行為などを徹底的に追放し、スポーツの持つ高潔性を堅持していかなくてはなりません。

選手登録数、指導者登録数、有資格審判員数などで全国指折りの数字を誇り、2つのJクラブと3つのWEクラブが存在する都道府県は滅多にありません。埼玉県サッカー協会は、これまで以上に質の高い選手育成、指導者養成、審判員(審判員指導者)養成を目指し、今後も全国のリーディングFAとして更なる高みとその存在意義を広げていきたいと思います。そして、埼玉から発信する、埼玉から生み出す、埼玉から育てる独自性を大切にしていきたいと考えています。

一人ひとりが相互に想い、相互に支え、相互に笑顔と元気を分かち合いながら、皆様と共に公正明大な埼玉県サッカー協会を築いていきたいと思います。「感謝と謙虚」の気持ちを持って今後も邁進していく所存です。どうぞ宜しくお願い致します。

2024年6月吉日
公益財団法人 埼玉県サッカー協会 会長
鈴木茂